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海老名温故館に展示されている虫送りの図 |
令和元年現在では行われていませんが、明治40年代には上郷でも行われていたことが市史に記録されています。
7月下旬になると虫送りの触れが出されて準備が始まります。
現在、中新田諏訪神社では7月第4月曜日に虫送祭が行われていますので、おおよそ前の週くらいには触れが出されたのではないかと思われます。
虫送りの当日、村人は唐人じゅばん姿で鎮守の有鹿神社本宮に集まり、神職のもと拝殿で式を執り行うと、お神酒を頂き、行列を組んで海老名耕地へ出発します。
巡行は「道場前」から東方、現在の小田急海老名駅前あたりへ、そしてその北方一帯の「下牛が淵」から「上牛が淵」へと北上し、こんどは西方、「寺町」の方へと一巡しました。今では高層マンション、ららぽーとが立ち並び開発真っ只中の地区が、かつては水田で虫送りの順路だったのです。(茶色のラインが推定順路です)
先頭は「豊作祈願」や「虫送り」など願い事を書いた紙を吊るした男竹で作った流し旗。次に太鼓。次に神主、村の役人。そして一般の村人たちが80人ほど「稲の!虫を!おっくーれ!」という掛け声と太鼓の音とともに順路を巡り、最後には流し旗を鳩川に流して解散したのだそうです。
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